最後の恋 〜 eternal love 〜

「松野さん…大きな欠伸なんかしてみっともないわよ。」


背後から急にかけられた声にビックリして、縮んだ背筋を伸ばし後ろを振りかえると給湯室の入り口に立っていたのは同期の陽奈だった。


「ちょっと～、ビックリさせないでよ。もう！」

「ごめん、ごめん。でも今のは結構似てたでしょ。」


悪びれる様子もない笑顔の彼女は、秘書課のお局的存在でもある桜庭先輩のモノマネ完成度について意見まで求めてくる。


「まあね…だから、本当に驚いたんだけど。」

「ハハ。練習した甲斐があったわ。やっとコツを掴めたんだよね。」


と嬉しそうな彼女の特技は、小学生時代から変わらず “ モノマネ ” らしい。


陽奈と出会ってから数年の間に、彼女の持つモノマネのレパートリーを見せてもらう機会があったけど、確かに特技というだけあってどれも驚くほどよく似ていた。