国王陛下の極上ティータイム
「ランティス様の騎士学校時代のご友人だそうだ。その実力は入学当初から注目されていて、将来この国でも一番強く、王国史にも名の残るほどの騎士になるだろうと有望視されていた」
「騎士学校に来るまでのことは分からないがな」と言うブランに「もしかして、ディオン殿も?」とクラリスは尋ねる。
「ディオン殿もランティス様と同じ時に騎士学校に入られて、腕が立つ上に頭も良い、数十年に一度の逸材だと言われていた。お三方は当時からとても仲が良かったようで、ディオン殿かクロード殿のどちらかが将来のランティス様の側近となるだろうという噂で王宮はもちきりだったな」
そんなときにクロードが黒の騎士団団長に推薦され、ディオン殿が側近となることが決まったそうだ。その結果にランティス様はとても満足した様子だったとブランは言った。
「騎士団の団長も、側近も、どちらも自分にとって、この国にとって、この上なく大切な存在だと。だからこそ、自分がいちばん信頼を置ける者がその席について良かったと、心から喜ばれていた」
それを聞いたクラリスは「ランティス様らしい」と少し嬉しくなった。
ランティスは変わった王だ。
国民を心から愛し、少しでも危害が与えられれば、相手が隣国の姫であろうとも激怒し行動に移す。
そのくせ自分に無礼な態度をとる使用人には寛大で、寧ろ自分を使用人達の側に置きたいような発言や行動を取る。
けれど今回の話を聞いて思った。彼は人々の内面をよく見て、その上で仲間になりたいと思っている。身分も立場も上下も関係ない、相手との関係が平等な、そんな仲間になりたいのだと。
でも恐らく彼は知っている。それがどれだけ無理難題なことであるか。自分に身分と立場がある限り不可能であることも。そして立場や身分から逃げることはできないことも。
「騎士学校に来るまでのことは分からないがな」と言うブランに「もしかして、ディオン殿も?」とクラリスは尋ねる。
「ディオン殿もランティス様と同じ時に騎士学校に入られて、腕が立つ上に頭も良い、数十年に一度の逸材だと言われていた。お三方は当時からとても仲が良かったようで、ディオン殿かクロード殿のどちらかが将来のランティス様の側近となるだろうという噂で王宮はもちきりだったな」
そんなときにクロードが黒の騎士団団長に推薦され、ディオン殿が側近となることが決まったそうだ。その結果にランティス様はとても満足した様子だったとブランは言った。
「騎士団の団長も、側近も、どちらも自分にとって、この国にとって、この上なく大切な存在だと。だからこそ、自分がいちばん信頼を置ける者がその席について良かったと、心から喜ばれていた」
それを聞いたクラリスは「ランティス様らしい」と少し嬉しくなった。
ランティスは変わった王だ。
国民を心から愛し、少しでも危害が与えられれば、相手が隣国の姫であろうとも激怒し行動に移す。
そのくせ自分に無礼な態度をとる使用人には寛大で、寧ろ自分を使用人達の側に置きたいような発言や行動を取る。
けれど今回の話を聞いて思った。彼は人々の内面をよく見て、その上で仲間になりたいと思っている。身分も立場も上下も関係ない、相手との関係が平等な、そんな仲間になりたいのだと。
でも恐らく彼は知っている。それがどれだけ無理難題なことであるか。自分に身分と立場がある限り不可能であることも。そして立場や身分から逃げることはできないことも。