国王陛下の極上ティータイム

店主は陽気な男性だった。「お客さん、何をお探しで？」と問われ、クラリスはメモ書きを差し出した。

何しろ、メモ書きに書かれた茶葉の数が多く、言うより見た方が早いだろうと思ったのだった。


「数が多いな。しかもどの茶葉も高級品ばかり…ん、待てよ、お嬢さんのその服、もしかして王城勤めかい？」


顔を上げた店主が驚いた様子でクラリスを見つめる。王宮侍女の制服姿のクラリスは、何だか居心地が悪くなって「最近入ったばかりですが」と答えた。


「そうか、それでこの商品を頼むわけか、なるほど」


店主は納得した様子で「そいつは、失礼しやした。最高品を準備するからちょっくら待っていてくれ」と笑顔を見せた。

準備を始めた店主に待っていてくれと言われたものの、何をしていたら良いか分からずクラリスは店の商品を眺めていた。


「種類が多いんですね」


すると店主は顔を上げて「そうだろう？」と誇らしげに言った。


「城下一の品揃えさ！」