国王陛下の極上ティータイム
オリジナルのブレンドティー
翌朝、王宮内は大変な騒ぎになっていた。
突然決まったフォルスト王の来訪のために、王宮内のいたるところで忙しなく準備が進められていた。
お茶係のクラリスがいる茶室も例外ではなく、おもてなしとして何の茶を用意するのか、クラリスとブランは頭を抱えていた。
「さて、どうするかな」
ブランは溜息を吐く。
王宮の茶葉は底をつこうとしていた。
いつも新鮮な茶を振る舞うために、お茶係が保管している茶葉の量は少ない。それに加えて外国の物資が届かない今、茶の流通は生活物資の二の次にされていて、王宮とはいえなかなか茶葉を手に入れることが難しい状態なのだ。
それに加えて残っている茶葉はどれも中途半端な量しかない。一杯分の茶が淹れられたら良い方だ。
「残ってる茶葉を配合してみては?」
「それしか手はないだろうな。しかし茶葉が足りるだろうか」
「確認しましょう」
それから2人で茶棚の缶の中身をひとつひとつ見ていく。なんとかキームとジルダの茶葉がそれぞれ1杯分残っていた。
「この2つをブレンドするか」とブランは腕組みをした。
「配合はどうするんです?」
するとブランは笑って「私に任せてくれないか」と言った。
「私も王宮お茶係だ。まあ、茶葉のブレンドは久しぶりだがな」
クラリスにとってブランは尊敬する人物だった。茶に対する態度、知識の深さ。それは今後クラリスにとって目指す姿であり、一緒に働けることが誇りだと思うほだだった。
だからこそブランが言った「任せてくれないか」の言葉は何より心強く、信頼できるものだった。
「よろしくお願いします」
クラリスは頭を下げた。
きっとブランならやってくれる。ブランが茶を淹れるのなら不安はどこにもなかった。
突然決まったフォルスト王の来訪のために、王宮内のいたるところで忙しなく準備が進められていた。
お茶係のクラリスがいる茶室も例外ではなく、おもてなしとして何の茶を用意するのか、クラリスとブランは頭を抱えていた。
「さて、どうするかな」
ブランは溜息を吐く。
王宮の茶葉は底をつこうとしていた。
いつも新鮮な茶を振る舞うために、お茶係が保管している茶葉の量は少ない。それに加えて外国の物資が届かない今、茶の流通は生活物資の二の次にされていて、王宮とはいえなかなか茶葉を手に入れることが難しい状態なのだ。
それに加えて残っている茶葉はどれも中途半端な量しかない。一杯分の茶が淹れられたら良い方だ。
「残ってる茶葉を配合してみては?」
「それしか手はないだろうな。しかし茶葉が足りるだろうか」
「確認しましょう」
それから2人で茶棚の缶の中身をひとつひとつ見ていく。なんとかキームとジルダの茶葉がそれぞれ1杯分残っていた。
「この2つをブレンドするか」とブランは腕組みをした。
「配合はどうするんです?」
するとブランは笑って「私に任せてくれないか」と言った。
「私も王宮お茶係だ。まあ、茶葉のブレンドは久しぶりだがな」
クラリスにとってブランは尊敬する人物だった。茶に対する態度、知識の深さ。それは今後クラリスにとって目指す姿であり、一緒に働けることが誇りだと思うほだだった。
だからこそブランが言った「任せてくれないか」の言葉は何より心強く、信頼できるものだった。
「よろしくお願いします」
クラリスは頭を下げた。
きっとブランならやってくれる。ブランが茶を淹れるのなら不安はどこにもなかった。