国王陛下の極上ティータイム
「何か?」

アルベルトが振り返ったのを見て、クラリスはしまったと思った。ブランの言いつけを思い出したのだ。

分かっているのだ、本当に。自分がそのような立場にないことなど。

けれどそれでも、言わずにはいられない。


「私の発言で気分を害してしまったなら申し訳ありません。けれど言わずにはいられないのです」

「構わない。言ってくれ」

そう言って柔らかく微笑む。ランティスに似ているところを見つけて、やはりこの方はランティスの親友なのだなとクラリスは納得した。


「アルベルト国王、貴方はきっとランティス様に隠していることがあるのではないですか?」


アルベルトは目を見開いた。


「__なぜ?」

鋭い視線と言葉を向けるアルベルトにクラリスは「大変失礼なことを申し上げて申し訳ありません」と頭を下げる。


「アルベルト様の表情が、何か言いたいことや理由があるのにそれを敢えて言わずに隠しているような表情に思えたのです」


「間違っているかもしれませんが」とクラリスは慌てて付け加えた。

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