国王陛下の極上ティータイム
ブランに連れて行かれた部屋には「茶室」という札がかかっていた。
中に入ると茶葉の缶が並べられた棚が天井にまで続いており、ティーカップなどの食器も数多く取り揃えられている。さらには湯を湧かすことのできる備えまであり、後は簡単な机と椅子が置かれている。
部屋の大きさはオルレアンの侍女寮の4人部屋とそう変わらない。
お茶を淹れるためだけにこんなに立派な部屋が用意されているのかと、クラリスは驚きを隠さずにはいられない。
「ここで茶を淹れるのですか」
「ああ、そうだ」
誇らしそうにブランは言う。
「茶を淹れるだけなのに、こんなに立派な部屋があるのですね」
するとブランは少しだけ眉を下げて「ひとつ、説明しておく」と言いにくそうに前置きして話し出した。
「前王の時代に作られたもので、王太后と国王陛下のためらしい」
「王太后と陛下の?」
「ああ。お二人とも昔は体調を崩されることが多くて、部屋で過ごすときの楽しみの一つになればと前王が作らせたものと聞いている」
それを聞いたクラリスは「申し訳ありません」と頭を下げた。
「大丈夫。陛下も誰も気にしていない」
ブランの言葉に落ち着きを取り戻したクラリスはほっと胸を撫で下ろす。
中に入ると茶葉の缶が並べられた棚が天井にまで続いており、ティーカップなどの食器も数多く取り揃えられている。さらには湯を湧かすことのできる備えまであり、後は簡単な机と椅子が置かれている。
部屋の大きさはオルレアンの侍女寮の4人部屋とそう変わらない。
お茶を淹れるためだけにこんなに立派な部屋が用意されているのかと、クラリスは驚きを隠さずにはいられない。
「ここで茶を淹れるのですか」
「ああ、そうだ」
誇らしそうにブランは言う。
「茶を淹れるだけなのに、こんなに立派な部屋があるのですね」
するとブランは少しだけ眉を下げて「ひとつ、説明しておく」と言いにくそうに前置きして話し出した。
「前王の時代に作られたもので、王太后と国王陛下のためらしい」
「王太后と陛下の?」
「ああ。お二人とも昔は体調を崩されることが多くて、部屋で過ごすときの楽しみの一つになればと前王が作らせたものと聞いている」
それを聞いたクラリスは「申し訳ありません」と頭を下げた。
「大丈夫。陛下も誰も気にしていない」
ブランの言葉に落ち着きを取り戻したクラリスはほっと胸を撫で下ろす。