国王陛下の極上ティータイム
アルベルトは「ありがとう」とクラリスに告げるとその場を去る。
その後姿を見守っていると、途中でアルベルトが振り返った。
「そうだ、貴女の名前を今一度教えてはくれないか?」
クラリスは目を見開き、それからまっすぐにアルベルトを見据えた。
「王宮付きお茶係、クラリス・リーランです」
「クラリス・リーランか」とクラリスの名前を口にすると目を細めてふわりと笑った。
「またこの城に来るときには貴女に茶を淹れてもらおう」
それから片手を上げて王宮の中に戻って行く。きっとランティスに会いに行くのだろうとクラリスは思った。
儚げな面影などどこにもない。
そこにあるのは一国の王としての自信と覇気に満ちた姿だった。
何の根拠もないが、きっとうまくいくだろうとクラリスは思った。そんな予感が胸をいっぱいにしていくのだ。
お互いを大切に思うからこそのすれ違い。きっとそれに気づけたなら、あの2人ならば、どちらの国にとっても良い結果をもたらす選択を決断できるはずだ。
クラリスは胸の中心で拳を握り、空を見つめた。
薄紫色の空には星がふたつ輝き始めている。その星に願わずにはいられなかった。
2つの国と2人の国王が幸せな未来を選ぶことを。
その後姿を見守っていると、途中でアルベルトが振り返った。
「そうだ、貴女の名前を今一度教えてはくれないか?」
クラリスは目を見開き、それからまっすぐにアルベルトを見据えた。
「王宮付きお茶係、クラリス・リーランです」
「クラリス・リーランか」とクラリスの名前を口にすると目を細めてふわりと笑った。
「またこの城に来るときには貴女に茶を淹れてもらおう」
それから片手を上げて王宮の中に戻って行く。きっとランティスに会いに行くのだろうとクラリスは思った。
儚げな面影などどこにもない。
そこにあるのは一国の王としての自信と覇気に満ちた姿だった。
何の根拠もないが、きっとうまくいくだろうとクラリスは思った。そんな予感が胸をいっぱいにしていくのだ。
お互いを大切に思うからこそのすれ違い。きっとそれに気づけたなら、あの2人ならば、どちらの国にとっても良い結果をもたらす選択を決断できるはずだ。
クラリスは胸の中心で拳を握り、空を見つめた。
薄紫色の空には星がふたつ輝き始めている。その星に願わずにはいられなかった。
2つの国と2人の国王が幸せな未来を選ぶことを。