国王陛下の極上ティータイム
「あくまでもフォルスト国の援護として、だそうだ。それも、ランティス様の命でこちらから攻撃するのではなく、攻撃されているフォルスト国を守るために。クロード殿がぜひそうしたいと申し出たらしい」

「クロード殿が…」

あの鋭い瞳をしたクロードを思い出す。きっとクロードはランティスを助けるためにそう言ったのだろうなとクラリスは思った。クロードは他人には厳しいが、ランティスには甘い。否、ランティスへの忠誠心こそが彼の世界の中心なのだろう。


「それはそうと、聞いたぞ、クラリス。お前、フォルスト国王に直々に申し上げたそうだな。ランティス様に全てを話すようにと」


低い声を出したブランに、クラリスはびくりと肩を上下させた。


「い、いや、その、アルベルト様も大変困っていらっしゃった様子だったというか、なんというか…」


目を泳がせるクラリスに、ブランは「笑いごとではない!」と厳しく言い放った。


「ランティス様も、ディオン殿も、フォルスト国王も、みな優しいお方だからこそ良かったものの!クラリスの身分では、直々に申し上げるなど無礼だと切り捨てられても仕方のないことなのだぞ、分かっているのか!」


厳しい言葉をくどくどと並べるブランにクラリスは「分かっています」ときっぱり言い放った。

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