国王陛下の極上ティータイム
「分かっているって、クラリス、お前な…」
「分かっていても、やはり言うしかありませんでした」
クラリスはきっぱりとした性格の持ち主だ。思ったことはそのままに告げ、悪いと思ったことは悪いときっぱり言う。誰に対しても、何だって言える勇気を持っていた。
そのせいでクラリスには友と呼べる存在はいなかった。周りがクラリスから離れて行ったのだ。
けれどオルレアン伯爵家のコレット侍女長は言った。
「それがクラリスの良いところでもある」と。
それからクラリスは自分の長所でもあり短所でもあるこの正直な性格を、そのままにしようと思った。
もしこの性格のせいで被害を被ることがあるのなら、それでも良いと思っていた。構わなかった。
「どんなものに対しても、いつも正直でありたい」
嘘や偽りで誤魔化したりしないで、自分が自分らしく自分のままでいられる。
それがクラリスが求める世界だ。
ブランは腕を組みながらクラリスの言葉を聞いていた。
「お前らしいか。否、お前も変わったな、クラリス」
「え?」
「ここに来た時よりずっと表情が表に出るようになった。それは良い変化だな」
そう言えば、王太后にも同じようなことを言われたとふとクラリスは思い出した。「大切な人がいるのね」と。
その時のクラリスは誤魔化していたが、今では心から言える。
ランティスに出会ったからこそ変われたのだと。
けれどそれは同時に思ってはいけない感情まで喚起した。思い出すだけでまた胸がジクジクと痛む。
「そうだ、ランティス様からクラリスに伝言を預かっていた」
「分かっていても、やはり言うしかありませんでした」
クラリスはきっぱりとした性格の持ち主だ。思ったことはそのままに告げ、悪いと思ったことは悪いときっぱり言う。誰に対しても、何だって言える勇気を持っていた。
そのせいでクラリスには友と呼べる存在はいなかった。周りがクラリスから離れて行ったのだ。
けれどオルレアン伯爵家のコレット侍女長は言った。
「それがクラリスの良いところでもある」と。
それからクラリスは自分の長所でもあり短所でもあるこの正直な性格を、そのままにしようと思った。
もしこの性格のせいで被害を被ることがあるのなら、それでも良いと思っていた。構わなかった。
「どんなものに対しても、いつも正直でありたい」
嘘や偽りで誤魔化したりしないで、自分が自分らしく自分のままでいられる。
それがクラリスが求める世界だ。
ブランは腕を組みながらクラリスの言葉を聞いていた。
「お前らしいか。否、お前も変わったな、クラリス」
「え?」
「ここに来た時よりずっと表情が表に出るようになった。それは良い変化だな」
そう言えば、王太后にも同じようなことを言われたとふとクラリスは思い出した。「大切な人がいるのね」と。
その時のクラリスは誤魔化していたが、今では心から言える。
ランティスに出会ったからこそ変われたのだと。
けれどそれは同時に思ってはいけない感情まで喚起した。思い出すだけでまた胸がジクジクと痛む。
「そうだ、ランティス様からクラリスに伝言を預かっていた」