国王陛下の極上ティータイム
「伝言?」
「今日の午後に茶をランティス様のところまで届けてほしいのだそうだ。クラリス、お前の仕事だ」
「私に?けれど、私は届けないと、その方がよいと伝えたのですが」
首を傾げるクラリスにブランが笑う。
「クラリスはすっかりランティス様のお茶係になったな」
その言葉にクラリスは赤面して「早速料理長に何の菓子をお出しするのか聞いてきます」と茶室を飛び出していった。
一目散に茶室を出たため、そんなクラリスの様子をブランが優しい瞳で見守っていたことなどクラリスは知る由もなかった。
料理長から菓子を聞いた帰り、クラリスはブランから買い出しを頼まれた。
フォルストとの国交が回復した今、フォルストを始めとする友好的な国々からからの物質の流通が再開されるらしく、市場にはこれまでと同様に他国の商品や国内のあらゆる土地で作られた様々な品が並び出すのだそうだ。
王宮お茶係の御用達である紅茶屋も例外ではなく、前回は用意できなかった茶葉も取り揃えていると連絡があったらしい。
恐らく市場は人で溢れるだろうことが予測できるのだが、王宮の茶葉の在庫も底を突きようとしており、お茶係にとってそれは死活問題と化していた。今日買い出しに行かなければ今日の午後の茶はどうにも用意できそうにない。
クラリスは意を決して市場に向かった。
「今日の午後に茶をランティス様のところまで届けてほしいのだそうだ。クラリス、お前の仕事だ」
「私に?けれど、私は届けないと、その方がよいと伝えたのですが」
首を傾げるクラリスにブランが笑う。
「クラリスはすっかりランティス様のお茶係になったな」
その言葉にクラリスは赤面して「早速料理長に何の菓子をお出しするのか聞いてきます」と茶室を飛び出していった。
一目散に茶室を出たため、そんなクラリスの様子をブランが優しい瞳で見守っていたことなどクラリスは知る由もなかった。
料理長から菓子を聞いた帰り、クラリスはブランから買い出しを頼まれた。
フォルストとの国交が回復した今、フォルストを始めとする友好的な国々からからの物質の流通が再開されるらしく、市場にはこれまでと同様に他国の商品や国内のあらゆる土地で作られた様々な品が並び出すのだそうだ。
王宮お茶係の御用達である紅茶屋も例外ではなく、前回は用意できなかった茶葉も取り揃えていると連絡があったらしい。
恐らく市場は人で溢れるだろうことが予測できるのだが、王宮の茶葉の在庫も底を突きようとしており、お茶係にとってそれは死活問題と化していた。今日買い出しに行かなければ今日の午後の茶はどうにも用意できそうにない。
クラリスは意を決して市場に向かった。