国王陛下の極上ティータイム
「ブランさんから聞きました。茶葉が入荷されたと」

店主はとても嬉しそうな顔をして「ああ、そうなんだ」と笑った。

「そいで、ご注文は?」

クラリスが差し出したメモ書きを受け取った店主は「今回も多いねえ」と笑った。

「王宮にはいつも沢山頼んでもらってるからなあ、こいつはおまけしねえとな」

「頼みます」

店主の言い方に、ついクラリスは笑ってしまった。

「はいよ、これで全部だな」

「ありがとうございます」

しばらくして頼んでいた全ての茶葉缶がずらりと並べられた。

「この前はなかったフォルスト産の茶葉もあるぞ」

その言葉をきいてクラリスはほっとした。

「ありがとうございます」

「そいじゃ、お支払いの方なんだが」

支払いを終えて缶を袋に詰めてもらっている間に、クラリスは目新しいものを見つけた。

「すみません、この缶は?」

「ああ、そいつは新製品だ」

「さっすが王宮お茶係はお目が高いねえ」と店主は言う。


「そいつはフレーバーティーだ」

「フレーバーティー?」


聞き慣れない言葉にクラリスは首を傾げる。


「果物の香りと味わいが楽しめる茶だ。グレーズとも違う風味が特徴なのさ」

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