国王陛下の極上ティータイム
「しかし、旦那様も奥様も、お嬢様だって、お前が淹れる茶をたいそう気に入っていらっしゃるし、私だってお前の茶の味は最高の一品だと思っている。どこに出しても恥ずかしくない。それにいつも冷静なお前ならヘマもしないだろう」
珍しく茶目っ気たっぷりに笑うコレット侍女長に、クラリスは嬉しく思いながらもそれを表情には出さずに「かしこまりました」と頭を下げた。
「お前が茶を入れることを、料理長には私から説明してある。料理長に菓子のことを聞いてくるといい。万全の準備をしておくように」
「はい」
それからコレット侍女長は別のところにまた指示を出しに行かれたようだった。
クラリスは侍女だ。いつもは他の侍女と同じように奥様の傍に仕えて身支度をお手伝いする。
しかし他の侍女とは違い、お茶を淹れる仕事も任されている。
クラリスの淹れる茶がうまいと使用人達の話題になり、それを聞いた奥様方もクラリスの茶を召し上がられてたいそうお気に召されたのだ。
それから旦那様は、お客様がいらっしゃった時にクラリスに茶を用意させるようになり、それ以来クラリスはコレット侍女長に代わりこの屋敷のお茶係になった。
しかしあくまでクラリスは侍女という立場にあり、王族の方に茶をご用意することは考えられず、王族のお客様の時はいつもコレット侍女長が淹れていた。
それなのに今回王族の方に、それも王太后様にお茶を出すなんて。
クラリスは顔には出さないものの、緊張でいっぱいになりながら料理長のもとへと向かった。
料理長は調理場にいた。お客様にお出しする料理の準備のために調理場の使用人たちは忙しく働いている。
珍しく茶目っ気たっぷりに笑うコレット侍女長に、クラリスは嬉しく思いながらもそれを表情には出さずに「かしこまりました」と頭を下げた。
「お前が茶を入れることを、料理長には私から説明してある。料理長に菓子のことを聞いてくるといい。万全の準備をしておくように」
「はい」
それからコレット侍女長は別のところにまた指示を出しに行かれたようだった。
クラリスは侍女だ。いつもは他の侍女と同じように奥様の傍に仕えて身支度をお手伝いする。
しかし他の侍女とは違い、お茶を淹れる仕事も任されている。
クラリスの淹れる茶がうまいと使用人達の話題になり、それを聞いた奥様方もクラリスの茶を召し上がられてたいそうお気に召されたのだ。
それから旦那様は、お客様がいらっしゃった時にクラリスに茶を用意させるようになり、それ以来クラリスはコレット侍女長に代わりこの屋敷のお茶係になった。
しかしあくまでクラリスは侍女という立場にあり、王族の方に茶をご用意することは考えられず、王族のお客様の時はいつもコレット侍女長が淹れていた。
それなのに今回王族の方に、それも王太后様にお茶を出すなんて。
クラリスは顔には出さないものの、緊張でいっぱいになりながら料理長のもとへと向かった。
料理長は調理場にいた。お客様にお出しする料理の準備のために調理場の使用人たちは忙しく働いている。