国王陛下の極上ティータイム
いつも思うがランティスの部屋は国王陛下とあるだけあってとても豪華だ。
それは部屋全体がきらびやかだと言うわけではなく、置かれている調度品がどれも最高級であるということ。
調度品のそのどれもがとても価値のあるものであり、なおかつ大切に扱われてきたことが平民であるクラリスにも伝わってくる。
けれどいつもなら返ってくる「やあ、クラリス」というランティスの言葉が返ってこない。ランティスの姿すらみえない。
音が響かないランティスの自室はなんだかおもちゃのないおもちゃ箱のような、人形のいないドールハウスのような、宝石のない宝石箱のような、そんな感覚がして寂しかった。
「ランティス様?」
声をかけても返事がない。
ということは今ランティスは寝ているかもしれない。そう思ったクラリスは「失礼しますよー」と一応声をかけてから部屋の中を進んでいく。
自室の奥につくられた小さな扉の向こうがランティスの寝室だ。クラリスは一度も立ち入ったことのない場所で、場所柄も気が引けるが、茶を届けるようにディオンに頼み込まれ薬室長の許可までもらっている以上は届けなければなるまい。
そう、これは任務なのだ。
クラリスに任せられた、とても重要な任務なのだ。
そう思い込んで、クラリスは決意を確かなものにする。
「失礼いたします」
小さく声をかけて寝室に向かう。
寝室はカーテンが引かれていて薄暗いが部屋の中の様子は十分に分かる。
部屋の中央に置かれたベッドの中に人影がある。
おそらくはランティスだろう。
クラリスはひどく緊張していた。
それは部屋全体がきらびやかだと言うわけではなく、置かれている調度品がどれも最高級であるということ。
調度品のそのどれもがとても価値のあるものであり、なおかつ大切に扱われてきたことが平民であるクラリスにも伝わってくる。
けれどいつもなら返ってくる「やあ、クラリス」というランティスの言葉が返ってこない。ランティスの姿すらみえない。
音が響かないランティスの自室はなんだかおもちゃのないおもちゃ箱のような、人形のいないドールハウスのような、宝石のない宝石箱のような、そんな感覚がして寂しかった。
「ランティス様?」
声をかけても返事がない。
ということは今ランティスは寝ているかもしれない。そう思ったクラリスは「失礼しますよー」と一応声をかけてから部屋の中を進んでいく。
自室の奥につくられた小さな扉の向こうがランティスの寝室だ。クラリスは一度も立ち入ったことのない場所で、場所柄も気が引けるが、茶を届けるようにディオンに頼み込まれ薬室長の許可までもらっている以上は届けなければなるまい。
そう、これは任務なのだ。
クラリスに任せられた、とても重要な任務なのだ。
そう思い込んで、クラリスは決意を確かなものにする。
「失礼いたします」
小さく声をかけて寝室に向かう。
寝室はカーテンが引かれていて薄暗いが部屋の中の様子は十分に分かる。
部屋の中央に置かれたベッドの中に人影がある。
おそらくはランティスだろう。
クラリスはひどく緊張していた。