国王陛下の極上ティータイム
「ああ、いた、クラリス殿」
クラリスに呼びかけたのは用事を終えたらしいブランだった。
「浮かない顔をしているな」
「ええ、少し考え事をしていて」
クラリスはエメのストレートをお出ししたいが後味の渋味が気になるのだという話をブランに聞かせた。
「確かに、ビスケットならばエメのストレートが一番合うだろうな」
ブランは腕組みをした。
「しかし、後味にあるエメ特有の渋味を王女は気にされるかもしれない」
その答えを聞いてクラリスはうなだれた。
「エメをミルクティーにしてはどうだ?」
「後味の渋味はミルクでは完全にはかき消せません。後味に苦みのないキームのストレートもミルクティーも考えましたが、それではビスケットには合わない」
「うーむ、困ったな」
そうこう言い合っているうちにあっという間に茶室まで戻ってきた。
「まだ昼にもなっていない。こういうときはゆっくり考える方が良いと決まっている」
「好きな茶葉を選ぶといい」とブランに言われ、クラリスは膨大な量がある茶棚からどれを選ぶべきか迷ってしまった。
結局クラリスが選んだのはエメ。飲みやすい味で昔から人気のある茶葉だ。
どうにもエメのことが頭から離れず、思わず手を伸ばしてしまったのだった。
「せっかくだから、オルレアン伯爵家お茶係のお手並み拝見といこうか」
ブランは挑戦的に笑った。クラリスはその表情に何を思うでもなく「かしこまりました」といつも通りに茶を淹れた。
クラリスに呼びかけたのは用事を終えたらしいブランだった。
「浮かない顔をしているな」
「ええ、少し考え事をしていて」
クラリスはエメのストレートをお出ししたいが後味の渋味が気になるのだという話をブランに聞かせた。
「確かに、ビスケットならばエメのストレートが一番合うだろうな」
ブランは腕組みをした。
「しかし、後味にあるエメ特有の渋味を王女は気にされるかもしれない」
その答えを聞いてクラリスはうなだれた。
「エメをミルクティーにしてはどうだ?」
「後味の渋味はミルクでは完全にはかき消せません。後味に苦みのないキームのストレートもミルクティーも考えましたが、それではビスケットには合わない」
「うーむ、困ったな」
そうこう言い合っているうちにあっという間に茶室まで戻ってきた。
「まだ昼にもなっていない。こういうときはゆっくり考える方が良いと決まっている」
「好きな茶葉を選ぶといい」とブランに言われ、クラリスは膨大な量がある茶棚からどれを選ぶべきか迷ってしまった。
結局クラリスが選んだのはエメ。飲みやすい味で昔から人気のある茶葉だ。
どうにもエメのことが頭から離れず、思わず手を伸ばしてしまったのだった。
「せっかくだから、オルレアン伯爵家お茶係のお手並み拝見といこうか」
ブランは挑戦的に笑った。クラリスはその表情に何を思うでもなく「かしこまりました」といつも通りに茶を淹れた。