国王陛下の極上ティータイム
「こいつを見てくれ」
誇らしそうな顔をして、ジェラルドは小さな竹籠を差し出した。
その中を覗き込むと、小さな楕円の形をした赤い実がたくさんに入っていた。まるで宝石みたいだと手にとってよく見ると、実の先端には小さな黒い球がくっついている。
「これは?」
いくら眺めても分からず尋ねると、ジェラルドは更に得意になって答えた。
「こいつぁ、さっき獲れたばっかりの新鮮なローズヒップさ!」
「どうだい、綺麗だろう!」というジェラルドの言葉にクラリスは頷いていた。
薬にも使えるローズヒップを育てているのは王宮の薬室だ。しかし樹木を育てることが得意な庭師のジェラルドにも相談をしているそうで、薬室とジェラルドが一緒になって育てているらしい。
しかし薬室で使う分以上に収穫できたらしく、ローズヒップをお茶として飲むのを王太后が好まれることもあり、お茶係にお裾分けしたいのだという。
「本当だったら薬室長が届けられたら良かったが、ちょっと患者が立て込んでいるらしくってなあ」
そう言って頭を掻くジェラルドに、クラリスは首を横に振った。
「すごく嬉しいです。ありがとうございます。薬室の方々にもそのようにお伝えください」
ジェラルドは「おうよ、任せておきな」と嬉しそうに胸を叩いた。
それからジェラルドと別れて茶室に戻ると、ブランから「遅かったな、迷子になったか?」とからかうような目を向けられた。
誇らしそうな顔をして、ジェラルドは小さな竹籠を差し出した。
その中を覗き込むと、小さな楕円の形をした赤い実がたくさんに入っていた。まるで宝石みたいだと手にとってよく見ると、実の先端には小さな黒い球がくっついている。
「これは?」
いくら眺めても分からず尋ねると、ジェラルドは更に得意になって答えた。
「こいつぁ、さっき獲れたばっかりの新鮮なローズヒップさ!」
「どうだい、綺麗だろう!」というジェラルドの言葉にクラリスは頷いていた。
薬にも使えるローズヒップを育てているのは王宮の薬室だ。しかし樹木を育てることが得意な庭師のジェラルドにも相談をしているそうで、薬室とジェラルドが一緒になって育てているらしい。
しかし薬室で使う分以上に収穫できたらしく、ローズヒップをお茶として飲むのを王太后が好まれることもあり、お茶係にお裾分けしたいのだという。
「本当だったら薬室長が届けられたら良かったが、ちょっと患者が立て込んでいるらしくってなあ」
そう言って頭を掻くジェラルドに、クラリスは首を横に振った。
「すごく嬉しいです。ありがとうございます。薬室の方々にもそのようにお伝えください」
ジェラルドは「おうよ、任せておきな」と嬉しそうに胸を叩いた。
それからジェラルドと別れて茶室に戻ると、ブランから「遅かったな、迷子になったか?」とからかうような目を向けられた。