国王陛下の極上ティータイム
「違います。薬室の方々からお裾分けだと、ジェラルドさんからいただきました。収穫したばかりで新鮮だと」
籠を差し出すとブランは覗き込んで目を見開く。
「これは、ローズヒップか!そうか、もう収穫の時期になったのか。後で薬室長に礼を言わねばな」
嬉しそうな顔をするブランに、「ローズヒップ、ブランさんはお好きですか?」とクラリスは尋ねた。
「私自身は好きでも嫌いでもどちらでもない。しかし貴族のご婦人方やお嬢様方がとても好まれるんだ。肌に良いとかで」
「ああ、なるほど」
クラリスは相槌を打つ。貴族の女性がいかに自らの容姿に磨きをかけようとしているか、オルレアン伯爵家にいた頃からクラリスは痛いほど知っていた。
そんな女性達にとっては美容に良いというものはどんなものであっても積極的に取り組みたいと思うだろう。
「どんなに好みがうるさいお嬢様もこれさえ出せば問題ない」と嬉しそうな顔をするブランを余所にクラリスは籠の中の赤い実を覗き込む。
お茶係とはいえ、紅茶ばかりを淹れていたクラリスにとって、ローズヒップのようなハーブは異質な存在だ。これを茶にするのか、いや、どうやって?頭の中を疑問が巡っていると「クラリス」とブランに呼ばれた。
「せっかくのローズヒップだ。早く茶にできるように今すぐ乾燥させよう」
いつになく目を輝かせるブランに少し呆れながら「分かりました」と返事をした。
籠を差し出すとブランは覗き込んで目を見開く。
「これは、ローズヒップか!そうか、もう収穫の時期になったのか。後で薬室長に礼を言わねばな」
嬉しそうな顔をするブランに、「ローズヒップ、ブランさんはお好きですか?」とクラリスは尋ねた。
「私自身は好きでも嫌いでもどちらでもない。しかし貴族のご婦人方やお嬢様方がとても好まれるんだ。肌に良いとかで」
「ああ、なるほど」
クラリスは相槌を打つ。貴族の女性がいかに自らの容姿に磨きをかけようとしているか、オルレアン伯爵家にいた頃からクラリスは痛いほど知っていた。
そんな女性達にとっては美容に良いというものはどんなものであっても積極的に取り組みたいと思うだろう。
「どんなに好みがうるさいお嬢様もこれさえ出せば問題ない」と嬉しそうな顔をするブランを余所にクラリスは籠の中の赤い実を覗き込む。
お茶係とはいえ、紅茶ばかりを淹れていたクラリスにとって、ローズヒップのようなハーブは異質な存在だ。これを茶にするのか、いや、どうやって?頭の中を疑問が巡っていると「クラリス」とブランに呼ばれた。
「せっかくのローズヒップだ。早く茶にできるように今すぐ乾燥させよう」
いつになく目を輝かせるブランに少し呆れながら「分かりました」と返事をした。