国王陛下の極上ティータイム
「そういうわけで今ここに来てもらったんだよ、クラリス」
「……ランティス様、私をからかっていらっしゃるのですか?」
艶やかな言葉と瞳で語りかけるランティスに、クラリスは怒りを抑えるのに必死だった。
勘違いをしてしまう。こんな忙しいのにも関わらず、ランティスが自分に会いたいと思ってくれているのだと。身分を考えないそんな間違いを犯してしまう。
「まさか、本心さ」
ランティスはそう言うけれど、クラリスは疑い深い目でその胡散臭い笑顔を見つめる。
「クラリスと話していると、よい気分転換になるんだよ」
そうは言われても自分は思っていることを言うばかりで、国王陛下相手に散々失礼なことを言っていることを自覚していた。気分を害すると言われたら納得ができるが、よい気分転換になるとはどういう意味だろう。もしかしてこれも陛下の皮肉だろうか。
そうは思ってみたものの、細められた陛下の目の奥が優しいような気がして確信が持てず、思考もまとまらない。もう、分からなくなってしまった。
「気分転換ついでにクラリスに頼もうかな。何か、茶を用意してほしい。仕事が捗(はかど)るようなものを」
「かしこまりました」
クラリスは頭を下げて陛下の執務室を出た。
さて何の茶を淹れようか、ブランに相談をしてみようかと考え始めたところで「ちょっと、貴女!」とつんざくような鋭い声が聞こえた。
慌てて目を向けると、セレスティーナ姫がりで満ちた目でクラリスを睨みつけていた。
「……ランティス様、私をからかっていらっしゃるのですか?」
艶やかな言葉と瞳で語りかけるランティスに、クラリスは怒りを抑えるのに必死だった。
勘違いをしてしまう。こんな忙しいのにも関わらず、ランティスが自分に会いたいと思ってくれているのだと。身分を考えないそんな間違いを犯してしまう。
「まさか、本心さ」
ランティスはそう言うけれど、クラリスは疑い深い目でその胡散臭い笑顔を見つめる。
「クラリスと話していると、よい気分転換になるんだよ」
そうは言われても自分は思っていることを言うばかりで、国王陛下相手に散々失礼なことを言っていることを自覚していた。気分を害すると言われたら納得ができるが、よい気分転換になるとはどういう意味だろう。もしかしてこれも陛下の皮肉だろうか。
そうは思ってみたものの、細められた陛下の目の奥が優しいような気がして確信が持てず、思考もまとまらない。もう、分からなくなってしまった。
「気分転換ついでにクラリスに頼もうかな。何か、茶を用意してほしい。仕事が捗(はかど)るようなものを」
「かしこまりました」
クラリスは頭を下げて陛下の執務室を出た。
さて何の茶を淹れようか、ブランに相談をしてみようかと考え始めたところで「ちょっと、貴女!」とつんざくような鋭い声が聞こえた。
慌てて目を向けると、セレスティーナ姫がりで満ちた目でクラリスを睨みつけていた。