国王陛下の極上ティータイム
ジルダのストレート
以前ブランはお茶係に必要なことは、臨機応変に対応できる力と王族の方とのコミュニケーションだと語った。それから、いかなるときも主人優先で行動すること。そのどれもは確かにクラリスも思うことで、その大切さはよく分かる。
ただ、分かっているというのとできるというのは違う。頭では理解できていても行動は追いつかない。頭では納得しているのに、心が追い付かない。
そんなことは往々にしてあり、クラリスに至っては日常茶飯事だ。
「ねえ、クラリス」
「…なんです」
午前中の仕事のお供に頼まれた茶を持ってきたクラリスに、ランティスは嬉しそうに尋ねる。
「クラリスの男性の好みってどんなの?」
クラリスの動きが止まった。まさか真昼間から自分の男性の好みについて国王陛下から聞かれるとは微塵も思っていなかった。
ランティスの執務室にはもちろん側近のディオンもいて、彼もランティスの発言に溜め息を吐く。
なんてことを聞くのか、この男は。クラリスが何も言わずに睨みつけると、「そんなに怒らないでよ」とランティスは笑う。
「ちょっと気になっただけだ。ほら、きみも年頃だろう?」
年頃の娘が皆そんなことに興味を持っていると思わないでほしい。例外だってあるのだ。クラリスは溜息を吐いて「私はそのようなことに興味など一切ありません」と言い放った。
「ばかなこと聞かないでください。仕事の邪魔です」
するとランティスは「そこまで言わなくたっていいのに」と口を尖らせた。
ただ、分かっているというのとできるというのは違う。頭では理解できていても行動は追いつかない。頭では納得しているのに、心が追い付かない。
そんなことは往々にしてあり、クラリスに至っては日常茶飯事だ。
「ねえ、クラリス」
「…なんです」
午前中の仕事のお供に頼まれた茶を持ってきたクラリスに、ランティスは嬉しそうに尋ねる。
「クラリスの男性の好みってどんなの?」
クラリスの動きが止まった。まさか真昼間から自分の男性の好みについて国王陛下から聞かれるとは微塵も思っていなかった。
ランティスの執務室にはもちろん側近のディオンもいて、彼もランティスの発言に溜め息を吐く。
なんてことを聞くのか、この男は。クラリスが何も言わずに睨みつけると、「そんなに怒らないでよ」とランティスは笑う。
「ちょっと気になっただけだ。ほら、きみも年頃だろう?」
年頃の娘が皆そんなことに興味を持っていると思わないでほしい。例外だってあるのだ。クラリスは溜息を吐いて「私はそのようなことに興味など一切ありません」と言い放った。
「ばかなこと聞かないでください。仕事の邪魔です」
するとランティスは「そこまで言わなくたっていいのに」と口を尖らせた。