清掃シンデレラストーリー。
「では、紹介します。篠原グループの令嬢
由佳莉《ゆかり》さんです」
しかし、紹介されたのは、
私ではなく……違う女性だった。
品のある綺麗な女性だった。
しかも社長令嬢。
あぁ、そうか私は、何を勘違いをしていたのだろう。
こんな綺麗なドレスを着せてもらって
社長から優しい言葉をくれたので
調子に乗ってしまった。
だが、違う。
私は、シンデレラなんかじゃない。
王子様が迎えに来てくれるなんて
贅沢な夢を見ていたから罰が当たったんだ。
勘違いをするなって……。
私は、辛くて会場を飛び出してしまった。
涙が溢れて止まらない。
ホテルの廊下を走り階段付近まで行く。