あなたに追いつきたくて
バンッ!勢いよく開いた扉
「颯人!!」
先生の名前を呼ぶ声に私と先生はびっくりして声が聞こえた方を振り返る
「…小高?なんで?」
パッと私の方をみる先生。
「私じゃないですよ。第一ずっと一緒にここにいたじゃないですか」
「あ、そっか。」
「綾花ちゃんじゃないよ。朝から体調悪そうだったのくらい分かってたの。そしたら次授業無いはずなのに職員室戻ってこないから…」
「あぁ、心配かけてごめん笑 でも、もう薬のんだし、白岡さんもいてくれたから大丈夫だよ」
先生はふにゃっと笑って
また私の知らない表情をつくる
「もう、ほんとに心配した…綾花ちゃんありがとね~こんな奴の面倒見させちゃってごめんね」
「いえ、私はなにもしてないので…」
「おい、こんな奴ってなんだよ笑 白岡さんも否定してよ笑」
「だって本当じゃん笑そんなんだから彼女に振られるんだよ~」
「うるせぇよ笑」
か、のじょ…?
「いいからアホは、早く仕事戻れば??笑」
「はいはい、綾花ちゃん悪いけどよろしくね~!」
「はい笑」
「はぁ、最後まで憎たらしい奴だな」
「…でも、先生楽しそうな顔してましたよ?」
「えっ?」
「いつも小高先生と話すときだけは他の先生と話したりするより楽しそうだし、授業のときとか私たちと話してるときとは違う顔してます。」
「そうかな?まぁ、大学からの仲だしね~」
「それより、先生彼女いたんですね笑」
笑ってるのに、笑おうとしてるのに、顔がひきつる。
「まぁ、そりゃーねいい年だし…白岡さんはいないの?」
「いないです、知ってますよね?笑」
「あー、ごめん笑 俺も中学のとき3年間片思いして中3の夏にやっと付き合えたんだよね~」
「そうなんですか?先生恋愛興味なさそうなのに笑」
「まぁ、確かに今は失恋中だけどね笑」
「先生は小高先生と噂たってたから他の人想像できないです」
「ぁ、小高ね、た、ただの同期みたいな感じだよ」
明らかに何かあった感満載の先生。
さっきも小高先生呼ぶなって言ってたし、小高先生は颯人って呼んでたし…
「小高先生となんかあったんですね笑」
「いやぁ、なんもないよ?それより、飯田くんのはどうしたの?」
「あぁ、歩斗のはもう決めました。」
「へぇ、つきあうの?笑」
「いや、他に好きな人がいるんです」
「え!!そうなの?」
好きなのは先生なんです。そんなこと言えるわけもないまま黙って下を向く。
「いいね、青春~笑 お互い頑張ろうな~」
先生は、頑張らなくていいんです。
頑張ったらみんな先生のこと好きになっちゃうじゃないですか。
そしたら先生もっと私のこと見てくれなくなる。
だから、私だけ頑張ればいいんです。
眼中にないのは覚悟で…