あなたに追いつきたくて
「この辺だと、誰の家から?」

香織が言った

「あ、私かな?最初でも大丈夫?」

「全然大丈夫だよ~」


2人が話しているのを聞きながら俺は携帯を開いた



オシャレなマンションの前にタクシーはとまった


「香織、颯人じゃあね!」

「ばいば~い!また近いうちにあおーね!!」

「うん!気をつけてね~」


小高がマンションに歩いていくのを見送ってタクシーは走り出した。


しばらくしても沈黙が続く。

俺はさっきの出来事が頭に残ってなにもはなせない。


ただ、ぼーっと外を眺めているとコンビニの前には見覚えのある女の子


と知らない高校生位の男3人

「すみません!タクシー止めてください!!」

気がついたら俺はそう言っていて


「急にどうしたの?」

「あ、いや、あれうちの生徒なんだよ。タクシー代これで足りると思うから払っておいて1人で帰らせてごめんな。またな」


「えっ、あ!ちょっと!!!」

香織の叫び声をよそに俺は女の子の元に向かう。


女の子、それは白岡さん。

「なにしてんだよ!?」

俺は男3人に睨まれる

「あ”ぁ?」

「せ、せんせ…?」

「おい、教師たってよ笑笑」

「へぇ、じゃあ流石に生徒の前で人殴ったり出来ねぇよな笑笑」
男はそう言っていて握った拳を振りかぶる

俺は男の腕よける


流石に白岡さんいるし殴り返すのは無理だけど、防護なら出来るし


三分くらいの格闘の末諦めた男たちは帰っていった

「ハァ、ハァ、、白岡さん大丈夫?」

「先生、なんでここに…」


「あぁ、飲み会の返りで。タクシーから白岡さんが絡まれてるの見えたから。」



「へぇ、じゃあ横にいたの新しい彼女さん、ですか?うまく、行ったんですね」


「は?見えてたの?あれ、彼女じゃないよ大学時代のサークル仲間でさっきまで小高も乗ってたんだよ。」


「そう、なんですね。あ、先生…血」

「うそ、、」

「タオル使ってください。」

「いいよ、悪いし。」

「いいから!使ってください。あと、た、助けてくれてありがとうございました//」


「いいよ。そんなの。それより、こんな時間になにしてんの?」

「あ、いや、両親出張中で。塾から帰ってきても夜ご飯なかったから買いに…時間とらせてすみません。」

「大丈夫。家まで、送ってくから。怖い思いしたでしょ」

頭をポンポンとすると涙が目にたまる白岡さん

「先生、本当にありがとうございました!」

「…やっぱやめた。泣いた状態で帰すわけに行かないし。俺の家行こう、ご両親には連絡しておくから。」

「えっ?」

俺は考える前に白岡さんの手を取って家に向かった。
< 22 / 30 >

この作品をシェア

pagetop