あなたに追いつきたくて
しばらく寝転がっていると電話の音が鳴る。

仕方なく起き上がって電話をとると学校からだった。


お母さん、電話し忘れたんだ。

「もしもし…」

喉が痛くて少しかすれた声で電話にでる。

「あ、白岡さんのお宅ですか?」


聞き慣れた声はきっと杉田先生の声。

あぁ、そっか。副担だもんね。

「はい」

「えっと、今日は白岡さんお休みですか」

といつもと違い敬語な先生に少し笑いがこぼれる。


「熱と喉が痛いので休みます。すみません。」

あれ、可笑しいな。ちゃんと立ってた筈なのにふらふらする

「わかりま」

バタンと音がして倒れたんだと認識する。

「白岡さん!?」


電話から先生の声が聞こえたけど、反応出来なくて、私はそのまま目を閉じた。


「白岡さん!白岡さん?」

誰かの声がして目を覚ます。

「あぁ、良かった。大丈夫?電話中に倒れたみたいで、大家さんに鍵あけてもらった。」


「先生…?」

「ん?あ、寝てた方が良いよね。部屋、どこ?」

上の奥の部屋ですと答えると先生は私をお姫様抱っこして部屋まで連れて行ってくれた。

ベットに私を寝かせると体温計を手渡す。

ピピッと音が鳴りみると-“39,2”の数字。

「見して?」

手渡すと

「うわ、すごい熱。薬飲んだ?」

首を縦に振るとじゃあ、もう少しで下がるねと言った。


「先生、授業は?」

「あぁ、状況言ったらお母さん帰ってくるまでちゃんと看病しといてって校長が…だから、今頃みんな自習かな~?」

「そうですか…」

「もう少し寝てな」

先生は優しく頭を撫でてくれた
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