Real Heart
「明菜ちゃん、お母さんは一緒じゃないの?」


たんぽぽを摘み終え、隣に座った可愛らしい少女に話しかける。


「ママはね、つかれるからゆっくり上がってくるって」


明菜はたんぽぽの花を嬉しそうに触りながら答える。


「そっかぁ、じゃあ明菜ちゃん。私と一緒にお喋りして待ってよっか」

「うんっ!」

「じゃあ、何お話したい?」

「う~ん、そだなぁ……」



隣で一生懸命に悩む少女が可笑しくてつい笑ってしまうと、急に


「あっ!!」


と、大きな声を上げた。

心持ちびっくりして明菜を窺っていると、


「赤ちゃん。赤ちゃん元気ぃ?」


と、無邪気な笑顔で訊いてきた。
優姫は自分のお腹を右手で触れながら、


「うん。元気だよ。たまに私のお腹を蹴るの」



優しく答えた。



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