controller
キョウが病気になってから
私は後悔ばかりしてた。

タクミを愛してだけど
キョウの存在がいつも妬ましくて
あの2人が幸せになることが許せなかった。

私はその愛にしがみつき、
青春時代のほとんどを無駄にしてしまった気がした。

あの時、私が諦めてたら
キョウはタクミとの恋を全う出来たんだと思ってた。

でもキョウが最後に選んだのは結局タクミじゃなくレオだった。

タクミはダメな男で、わるいヤツで
女を幸せにできる男じゃなかった。

それが分かってても私はキョウが居たからタクミに縛られ続けた。

私もキョウもそれに気付くのが遅かった。

大人になって
ちゃんと愛される事を知ってタクミのことは
つまらない思い出になった。

私にも、キョウにとっても
タクミは憧れだったけど
幸せにしてくれる男ではないと気付いてたのに…

それを諦めるにはあまりにも遅すぎた。

キョウの命はとても短くて
キョウは人生の大半をタクミに捧げてしまった。

きっと後悔してるだろう。

それでも最後にはレオと本当の夫婦になって幸せなままこの世を去ってくれたのが救いだった。

私はずっとこの想いを心の中のキョウと一緒に共有して生きていくつもりだ。

私が愛されて生きれば
キョウもきっと報われる気がした。
< 109 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop