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成人するということ
大学生になったアタシとタクミは同じ大学に通っていたがほとんど顔を合わせることは無かった。
バレー部がどこで練習してるのかも知らないし
バレー部の寮がどこにあるのかも知らなかった。
ハナエからタクミの近況を教えて欲しいと言われたが
アタシは忙しいと言ってタクミに逢いに行かなかった。
アタシは大学に入って2年間タクミに会う事を避けた。
偶然見かけた事もあったが
あいさつ程度しかしなかった。
一度、タクミのお母さんからアタシの母親経由で荷物が送られて来た。
タクミが試合でいつ居るかわからないから
アタシの部屋にタクミが取りに来るまで預かって欲しいという手紙が入っていた。
タクミから連絡を受けたのは荷物が届いて一週間ほど経ってからだった。
「オフクロから荷物預かってるんだって?」
「うん。」
「お前、どこに住んでんの?」
アタシが自分の部屋を教えると
「わかった。」
とだけ言ってタクミは電話を切った。
その日の夜、タクミは初めてアタシの部屋にきた。
「意外に近いとこ住んでたんだな。
荷物は?」
「これ。」
タクミは荷物を担ぐと
「じゃあな。」
と言って部屋を出て行った。
あまりに素っ気なくてなんとなく傷ついた。
タクミにとってアタシはもう取るに足りない存在になった気がした。
そして成人式がやってきた。
アタシはレオと地元に帰った。
そこで当たり前だけどまたタクミに逢った。
バレー部がどこで練習してるのかも知らないし
バレー部の寮がどこにあるのかも知らなかった。
ハナエからタクミの近況を教えて欲しいと言われたが
アタシは忙しいと言ってタクミに逢いに行かなかった。
アタシは大学に入って2年間タクミに会う事を避けた。
偶然見かけた事もあったが
あいさつ程度しかしなかった。
一度、タクミのお母さんからアタシの母親経由で荷物が送られて来た。
タクミが試合でいつ居るかわからないから
アタシの部屋にタクミが取りに来るまで預かって欲しいという手紙が入っていた。
タクミから連絡を受けたのは荷物が届いて一週間ほど経ってからだった。
「オフクロから荷物預かってるんだって?」
「うん。」
「お前、どこに住んでんの?」
アタシが自分の部屋を教えると
「わかった。」
とだけ言ってタクミは電話を切った。
その日の夜、タクミは初めてアタシの部屋にきた。
「意外に近いとこ住んでたんだな。
荷物は?」
「これ。」
タクミは荷物を担ぐと
「じゃあな。」
と言って部屋を出て行った。
あまりに素っ気なくてなんとなく傷ついた。
タクミにとってアタシはもう取るに足りない存在になった気がした。
そして成人式がやってきた。
アタシはレオと地元に帰った。
そこで当たり前だけどまたタクミに逢った。