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タクミへ

タクミ…アタシにとってあなたは分身みたいな人でした。

一緒に育ってはじめての事たくさん一緒に経験して
誰よりも近い存在で大切な人でした。

タクミのこと物心ついた時からずっと好きだとしんじてました。

タクミがハナエと付き合った時、ものすごく後悔しました。

そのあと、タクミが何回もアタシを訪ねて来てくれたこと
あの頃はタクミの気持ちがわからなくて色々悩んだけど
今では全部がいい思い出になりました。

タクミ、本当に好きな人と結ばれてください。

あの時お互いが自分だと信じた運命の相手は間違ってた。

タクミにはこれから本当に運命を共にする相手が現れると思います。

アタシがレオを見つけたように…

運命の相手とは必ず結ばれる縁があるハズだから。

アタシとのことは全て忘れて欲しい。

アタシたちは幼馴染で誰よりお互いのこと知ってるけど
一緒に同じ時間を過ごした同志みたいな関係で
恋愛だと思ってたことは全て
お互いのことを誰より知っていたいという
ただの執着だったように思います。

アタシのハナエに対する嫉妬と
タクミのレオに対する嫉妬がそうさせてたんだと思う。

本当はいつも不安で心からタクミに愛されてるって実感したことが無くて
それはタクミも同じじゃないかと思います。

ずっと愛してるって信じたかっただけで
ホントはそこに愛はそれほどなかったから。

タクミ、アタシたちはお互いの人生を一番知っていないと気が済まなくて
お互いを支配し続けたいとどこかでいつも思ってましたよね?

アタシは結局あなたへの支配を先に解いていくことになります。

あなたもアタシを縛っていたもう動かないそのコントローラーを捨てて
これからは自由に生きてください。

大好きだったけど運命じゃない
一番近い友達であり同志だった幼馴染のタクミへ

キョウより

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