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レオは申し訳なさそうにアタシの顔を見て

「ゴメン。遅くなった。」

と笑ってみせる。

アタシはレオに不機嫌な顔も出来ずに

「元気だった?」

と笑顔で聞いた。

その時、タクミがアタシの足を小突いた。

アタシはビックリして飛び跳ねそうになる。

ハナエがその様子に気付いて

「どうかした?」

と聞いた。

「ううん。」

全身から冷や汗が出る感じだった。

レオは隣に座るアタシの手をそっと握った。

食事が終わると4人でクラブに行った。

タクミとレオは周りの女の子たちの視線を集め、
ハナエは男の子たちの視線を集めた。

凡人のアタシはそんな3人に囲まれて
肩身の狭い思いをする。

レオがアタシの手を取って踊ろうと言った。

そんなアタシをタクミが見ている。

アタシはレオの手を取ってレオと踊った。

レオが大音量の中、アタシの耳元で叫んだ。

「キョウ、愛してる!

…聞こえたか?」

アタシは頷いてタクミが見てる前でレオとキスをした。

そしてとレオと先に2人でアパートに帰った。

レオの部屋から帰るとハナエはすでに帰っていた。

「タクミと泊まって来るのかと思った。」

とアタシが言うとハナエはちょっと不機嫌になった。

「キョウちゃんは何だかんだレオと上手くいってるんだね。

アタシなんかタクミと全く上手くいってない。

タクミは全然アタシに触れて来ないし…
なんかわかんないけど不機嫌だし…

何があったのかな?

浮気とかしてるのかな?

ねぇ、キョウちゃんは何か知らない?」

アタシの胸が締め付けられるみたいに苦しくなって
ハナエの顔をまともに見られなかった。

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