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ハナエも他の男の人とクラブに行くと言った。

田澤さんはアタシをカラオケに誘った。

田澤さんは物凄く歌が上手くて
これで大抵の女の子は堕ちちゃうんだと思った。

カラオケを聴いてるとものすごい眠気が襲ってきた。

「杏子ちゃん、大丈夫?」

田澤さんはアタシを介抱するふりをしてキスしてきた。

抵抗したいけど身体に力が入らなかった。

多分だけど飲み物に何か入れられた気がした。

この人達はこんな事をするのが目的で合コンしてるんだとわかった。

このままだとアタシは田澤さんの好きにされてしまう。

アタシはトイレに行くふりをしてそこからフラフラの足で何とか逃げ出した。

レオに電話して迎えに来てもらおうと思ったが
レオは何度かけても電話に出なかった。

頼るのはもうタクミしかいない。

アタシは身の危険を感じてタクミに電話をかけてしまった。

「お願い、迎えに来て。」

タクミは詳しい事は何も聞かず

「何処だ?すぐ行く。」

と言ってくれた。

近くのファミレスでタクミを待つ間、
ずっと眠気と戦っていた。

「誰とこんなに飲んだんだよ?」

タクミが呆れた顔で半分寝てるアタシに声をかけた。

「タクミ…ごめん。」

タクミに抱き抱えられてタクシーに乗りやっとの思いで部屋に戻った。

ハナエはまだ帰ってなかった。

タクミがベッドまで連れてってくれたところまでは何となく覚えていたけど
いつの間にかアタシは眠ってしまい、
目を開けるとタクミが横に座っていた。

「ハナエは?」

「まだ帰ってこない。

アイツはこんな遅くまで何やってんだ?」

タクミはアタシの髪を撫でてキスして来た。

アタシはタクミを突き飛ばして

「ハナエが帰って来たらどうするの?」

とその腕から逃げようとしたが
薬がまだ効いてるみたいで力が出ない。

タクミはそれには答えずにもう一度強引にキスをした。





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