controller
タクミが何度もキスをして
アタシはまたタクミが愛しくなる。

「このままここでヤッちゃったらハナエ帰って来ちゃうよな?」

タクミはハナエの男としては最低だけど
今のアタシには愛しい人だ。

それでもアタシにはまだ理性が残されてる。

「もう帰って。」

タクミに言うと、タクミはアタシを抱きしめる手を緩めた。

「キョウ、ホントに大丈夫か?

誰にこんなに飲まされた?」

ハナエと合コンに行った話をタクミにしたら
2人の仲は拗れたりするんだろうか?

それでもアタシは口をつぐむ。

ハナエを陥れる事はしたくなかった。

「友達に頼まれて合コンに付き合ったんだけど
社会人のヤバいオジサンだった。」

「バカか?
そんな奴らにヤられたらどうするんだよ。」

「だから反省してる。」

「何にも無かったんだよな?」

キスはされたけどそれは言わないでおこうと思った。

「うん。大丈夫。」

怖かったけど…タクミのおかげで元気になった。

「じゃあ明日も朝練あるからそろそろ帰るな。

キョウ1人で大丈夫か?」

「うん、アタシはもう大丈夫。」

「ハナエマジで遅いな
こんな遅くまで…
何やってんだろうな。

1人で大丈夫か?」

タクミはハナエを待たずに帰って行った。

多分帰らないハナエよりアタシを心配してくれてる。

だけどタクミはハナエとは別れない。

タクミの気持ちが全くわからなくて泣きたくなった。





< 28 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop