controller
タクミとの初めては痛いだけで辛かった。

それでもタクミは満足したみたいで

「サンキュー。すげえ気持ちよかった。」

と言った。

そしてアタシたちは同じ高校へ進学した。

高校生になるとタクミはたちまち人気者になって
アタシの知らない友達が増えた。

クラスも違うタクミは少し遠い人になった気がした。

それでもたまにタクミはアタシを見つけると

「キョウ!」

と声をかけてくれたり
教科書を借りに来たりして

「キョウちゃんてタクミくんの彼女なの?」

なんてクラスの女の子から聞かれたりした。

そんな時、ハナエが声をかけて来た。

「キョウちゃん、よかったら一緒に帰らない?」

ハナエはかなり綺麗な子で、中学の頃から雑誌のモデルとかもしてて
一際目立つ美少女だった。

隣に並んで歩くのはかなり抵抗があるくらいだが
そんなハナエと友達になれるのは悪い事ではない。

ハナエは学校でも人気者だし、
ハナエといればいじめられることもない。

そんな軽い気持ちでハナエと友達になったけど
それが全ての間違いだった。

ハナエは最初からアタシの幼馴染であるタクミが目的だった。

その頃のアタシは何も知らないで
ハナエにタクミを紹介した。

そしていつの間にかハナエはタクミに告白し
タクミはそれを承諾した。

「キョウちゃん、聞いて!
アタシね、タクミくんと付き合うことになったの。」

ハナエにそれを告げられた時、
アタシは自分のタクミへの本当の気持ちに気がついた。
< 3 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop