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寮の近くまで来ると
公園で待ってるというメールが届いた。

寮の近くにある公園に向かって歩くと
後ろから突然、羽交い締めにされた。

怖くて声をあげそうになると
口を塞がれた。

「キョウ、俺だよ。」

振り向くとタクミだった。

「来てくれると思わなかった。」

タクミは嬉しそうにアタシの手を握って指を絡めた。

「何処行く?
あんまり時間ないんだけど…」

アタシは逢いたくて来たくせにタクミを見ると素直になれなかった。

「もうこういうのやめて。

ハナエにナイショでメール送ったり…
こんな風に2人で逢おうとか言うのやめてくれない?」

タクミの顔が少し曇って、怖い顔に変わってく。

「そんな事言いにわざわざ来たのかよ?」

アタシは黙って下を向いた。

確かにメールで断れば良かったんだ。

「逢いたいから来たって素直に言えよ。」

タクミはそう言うとアタシに強引にキスして来た。

アタシはささやかな抵抗をしたけど
本当はもうそれを受け入れる覚悟でここに来た。

アタシの唇を噛みそうなくらい
タクミが激しいキスをして来るからアタシは後退りしてしまう。

タクミがアタシの首を大きな手で抑えて
逃げ出せなかった。

このまま流されちゃダメなのに…

そう思って思い切りタクミの脚を蹴とばそうと思ったけど
試合中に怪我でもさせたら大変だと思って
結局何も出来ずにされるがままだった。


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