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四月になってアタシは社会人になり、
生活のパターンが学生の頃とは大きく変わった。

覚える事も多く、失敗も多くて
疲れて部屋に戻る毎日が続いた。

レオは病院で研修が始まり
連日忙しいようでほとんど逢えなくなった。

ハナエとは卒業してから逢ってなくて
その後のタクミとの事を聞く暇もなかったが
珍しく日曜にハナエから逢いたいと連絡があった。

「元気だった?

キョウちゃん、忙しそうだね。」

「うん、まだ仕事出来ないし
覚える事多くてクタクタ。」

ハナエは何か話したい様子で
チラチラとアタシを見ている。

アタシは疲れからなのか甘い物が食べたくて
生クリームたっぷりのバナナとチョコレートソースの大きなパンケーキを注文した。

「うわー美味しそう!」

ハナエは大好きなパンケーキを目の前にしても
どこか上の空だ。

「ハナエ、何か話しがあるんでしょう?」

ハナエは視線を上げアタシを見ると

「私、タクミと結婚する。」

と言った。

食べようとしていたパンケーキが思わずフォークから落ちた。

「え?」

タクミと別れたと泣きつくと思っていたのに
ハナエの話はアタシの想像とはかけ離れていた。

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