controller
レオとの同棲は楽しかったが
出勤も帰宅時間もバラバラのレオとの生活は
思ったより大変だった。

レオが帰ってくると眠ってたアタシはその音で起こされる。

「ごめん。起こしちゃった?」

「…お帰り。」

それだけ言うとまた眠り、
レオが寝ている間に起きて
今度はアタシが出て行く準備をする。

レオはその音で起こされて、少し不機嫌そうに

「行ってらっしゃい。」

と言った。

たまに眠ってるアタシをキスで起こして
カラダを求められた。

半分眠ってるアタシに

「寝たままでいいよ。」

とカラダを触り、目を覚まさせる。

「寝たままでいいのに…」

「寝てられないよ。」

レオは疲れるとナチュラルハイになって
カラダの欲求が強くなると言った。

その後、レオは泥のように眠って
アタシは寝不足のまま出勤するなんてことがよくあった。

「お前、最近疲れてんな?」

久しぶりに仕事で会ったタクミに言われた。

「そうかな?」

「なんかあった?」

「うん?寝不足なだけ。」

タクミは相変わらず光を放ってた。

アタシとは本当に住む世界がかけ離れてしまった。

「まだレオと付き合ってんの?」

「うん。今…一緒に住んでる。」

その時、タクミの顔が少し強張った気がした。

タクミはまだレオに嫉妬してくれてるのかな?
なんてまた淡い期待をしてしまいそうだった。

< 52 / 116 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop