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後悔
タクミに呼ばれて事務所に行くと
タクミはそこに居なかった。

マネージャーが出てきて話を聞くことになり
応接室に通された。

「実は大変申し訳ありませんが
来年の契約は見送ることになるかもしれません。」

「どうしてですか?」

予想通り断られてしまいそうだ。

「それが…藤堂がどうしても続けたく無いと言って…

評判のいい広告だったし…ウチとしては続けたくて…

私どもも説得してるんですが…

喜多嶋さん、あなたから説得して頂けないですか?

出来れば御社との契約を失いたく無いんです。」

このままではアタシのせいで双方の会社に迷惑をかけてしまうと思った。

「あの藤堂さんは今どちらに?」

「説得してもらえますか?」

「はい。もちろんです。

お力になれるかはわかりませんが…」

「藤堂は今、ここにいるはずです。」

マネージャーはタクミのいる場所を教えてくれた。

アタシは急いでその場所へ向かった。

そこはタクミの事務所が借りているマンションで
タクミはそこに住んでるみたいだった。

高級そうだけど
なんとなく冷たい感じのする高層マンションの一室が
今のタクミの住んでる場所だった。

アタシは深呼吸をして部屋のベルを鳴らした。

そしてアタシの顔を確認すると
タクミがその重たい扉を開けた。
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