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レオは付き合ってた女と別れようとしていた。

でも女の方がレオに夢中で
アタシに電話をかけてきた。

「七海さんと付き合ってます。」

アタシより少しだけ若い彼女は
自分の事しか考えてなかった。

「レオが好き?」

「はい。だから別れてもらえませんか?」

「別れようとしたけど…レオがダメだって。

アタシとレオはそんなに簡単じゃないの。

あなたがどうこう言って壊れるくらいなら
とっくに終わってた。」

彼女は動じないアタシを見て
腹を立てていた。

「でも今は私と付き合ってますから。」

「アタシとレオは15の時から付き合って結婚したの。

もうレオのことは何でもわかるし、
浮気した事もすぐわかった。

でもレオが浮気したのはあなたのことが好きになったんじゃなくて
アタシが気に入らなかったせいなの。

だから…諦めて。

レオに別れてって言われたんでしょう?」

彼女は思ったより気が弱かったみたいで
目の前で泣き始め、
自分の恋の終わりを知った。

アタシはレオに彼女に逢った事は言わなかった。

レオとアタシは少しずつ夫婦の形を取り戻していた。

そんな順調な時にまるで水を差すように
アタシは仕事でタクミに逢うことになった。

こういう事を運命の悪戯とでも言うのだろうか?

この時タクミに逢わなければ
アタシはずっとレオと幸せに生きていけるハズだった。
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