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それから一週間ほど経って
タクミのマネージャーから連絡があった。

「喜多嶋さん、ちょっと相談したい事があるんだけど…時間あるからしら？」

タクミからでは無く、
マネージャーからだったのでタクミに何かあったんだと思った。

アタシはタクミの事務所に行ってマネージャーの中嶋さんに逢った。

「ちょっとマズいことになって…」

中嶋さんがアタシの前に一枚の写真を置いた。

「これ…何ですか？」

それはタクミと人気女優の手を繋いだ写真だった。

しかも相手の女優は既婚者だった。

「どう見ても不倫現場に見えるわよね？」

「違うんですか？」

「私もこの現場に居たから…不倫じゃない事はわかってるけど…

表に出たら多分…相手が相手だけに…
不倫したことになっちゃうかも…
そんなことになったら藤堂は潰されるわ。」

アタシはかなりのショックを受けた。

一番に考えなければいけないのはこれから出る広告の事だ。

そんな写真が出たら
タクミは広告のモデルには使えなくなる。

長年ウチのウェアのモデルをしてきたから
そのイメージを払拭するするまでに時間はかかるし
会社としても大打撃だ。

「何とかならないんですか？」

「彼女の事務所は大きいから…
何とかしてくれるとは思うけど…

でも万が一って事もあるから。

その場合、この前撮影した広告はどうなるかと思って…

長年お世話になった広告だし…喜多嶋さんには話しておこうと思って…」

「まだこれがどうなるかもわかってませんし…

でも大体のお話しはわかりました。

ウチの方も最悪の場合に備えておきます。」

それから暫く、アタシはその対応に追われた。