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「キョウちゃん…具合はどう？」

今にも泣きそうな顔で恐る恐る聞くハナエに
アタシはなるべく元気に見える笑顔で答えた。

「大したことないの。

免疫力が弱っててね、熱がちょっとあるだけ。」

「そうなんだ…。

レオにさっき会ったよ。

レオの白衣姿初めて見たけどさ、ちょっとキュンとしちゃった。」

ハナエも一生懸命笑顔を作ってるのがわかって胸が痛んだ。

「あのさ…タクミは知ってるの？」

ハナエが聞きにくそうにアタシに聞いた。

「ハナエ…タクミには黙ってて。

実はレオがタクミと仲良くすること、あんまり良く思ってないの。

アタシたち一時期、仕事も一緒だったから変に誤解してて…」

誤解なんかじゃないけど…ハナエにはそう言うしかない。

「そうか…。

そうだよね…キョウちゃんにはレオが居るんだもんね。

タクミと昔通りにはやっぱり無理だよね。

私だって2人のことしょっちゅう疑ってたし…」

「それに今…タクミは色々考える時間が必要みたい。」

「そうだ、タクミどうかしたの？

キョウちゃんとこの広告しか出てないし、
休養宣言とかって…急にどうしたのかなって心配になって…」

「タクミは…あの業界に居るべきじゃないんだよ。

もともと興味あって始めたわけじゃないし…

頑張ってはいたけど…向いてる気はしなかった。」

「やっぱりキョウちゃんには敵わないな。

タクミのことはキョウちゃんのがずっとわかってた。」

ハナエはやっぱりずっとアタシたちを気にしてたんだと思ったら
何だかすごく申し訳なく思った。

アタシとタクミの恋愛を喜ぶ人は誰も居なかったのだと改めて思って
アタシがこの病気になったのも神様が止めた気がした。