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この場所はほとんど知ってる人が居なくて
車の数も少ない。

アタシは緊張し過ぎてシートベルトも外さないまま
黙って座っていると
それに気がついたタクミがアタシのシートベルトを外した。

タクミの顔が近くて息が出来なくなるほど緊張した。

「何か期待してる?」

「ま、まさか!してないよ。」

「スケベ。」

タクミは笑いながら顔を近づけてキスしてきた。

アタシはいけないと思いながらタクミのキスを受け入れた。

止まらなくなって、アタシたちはお互いを求めた。

タクミの大きな手がアタシの頬を撫でて
首から胸…そして下腹部まで下がっていく。

「キョウ…ずっとこうしたかった。」

タクミがアタシの身体に舌を落として
切ない声でそう言った。

アタシは何度もタクミの名前を呼んで
理性が崩れてワケがわからなくなった。

本能のまま身体が動いて快楽を求めた。

気持ちよすぎてなのか、切なすぎるのか自然と涙が流れた。

全てが終わった後、
やっと理性を取り戻して自分の行動を恥じた。

「泣くなよ。」

タクミが優しい声で言うから堪らなくなって
タクミの手を握るとタクミは指を絡めた。

「キョウ…やっぱり俺…お前が居ないとダメだ。」

アタシも同じ気持ちだった。

離れても逢わなくてもアタシの中のタクミへの気持ちは消えることは無かった。

それでも簡単にタクミの所に行けるほど
アタシはもう自由じゃない。

前よりもっとレオと離れることは難しくなった。

アタシは自分の気持ちが苦しくてタクミに逢ったことを後悔した。




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