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「ごめんなさい。

こんなこと…カレンさんに言うことじゃありませんね。」

カレンさんはしばらく黙っていた。

沈黙を保たれるより叩かれる方が多分スッキリする。

でもカレンさんはアタシよりずっと冷静だった。

「そういう気持ちがわからないワケじゃない。

アタシも女だからね。

でも…2人のことはレオも気付いてるんじゃないかな?

だからきっとレオも苦しんでる。

レオの為にもいっそ正直に話した方がいいと思う。

そうじゃない?」

「そうでしょうか?」

「そりゃ聞いた時はショックを受けるだろうけど…

いつまでもズルズルするよりずっと幸せよ。

レオは高校生の時からずっとキョウだけだったから。

そのうち自分だけを愛してくれる女の子と違う人生もあるって気がついて…ちゃんと幸せになれるわ。

アタシは今のままキョウがレオを偽って生活してる方が許せないの。」

カレンさんに言われたことは最もかもしれない。

だけどアタシはレオが心配だった。

でもカレンさんに言われて目が覚めた。

「もしかしてレオが心配とか思ってる?

でもね、キョウにはレオを心配する資格も幸せにする資格も無いのよ。

レオを愛して無いなら離れて。」

その通りだった。

アタシにはレオを愛する資格が既に無かった。




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