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「傷つけないように別れて…とは言わないわ。

アタシはキョウのことも妹みたいに思ってる。

レオにもキョウにもホントの幸せを見つけて欲しいの。」

アタシはその次の日、東京に帰ることにした。

「もう帰るの?もっとゆっくりしてけばいいのに…

でもレオが仕事してるのにそうゆっくりもしてられないわね。

着いたら連絡してね。」

母に見送られてアタシはタクミに挨拶もせずに東京に帰った。

レオは宿直明けだったようで
ベッドで眠っていた。

アタシはレオの寝顔を見て、
今まであったことを思い出していた。

レオとアタシには歴史があって
別れるのはやはり辛かった。

でもタクミを愛しながらレオに甘えるのはやはり間違っている。

これから受けるレオの傷を思うと
口にするのは苦しかった。

「キョウ…帰ってたの?」

レオが目を覚まし、アタシの頬を撫でる。

「おいで。」

アタシは腕を掴まれてベッドに引きずり込まれる。

「留守の間、ずっとキョウが欲しかったんだ。」

レオがキスをしてきて
アタシはそれに従う。

もう最後だからレオの思うようにしてあげようと思った。

レオに愛されるのはもうこれで最後だと思いながら
レオに抱かれた。

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