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レオはそんなタクミを温かく迎えていた。

アタシはレオと結婚して良かったと心から思う。

きっと時々何処かでアタシとタクミの過去を思い出したりする時もあるんだろうけど
レオはその事を決して口にもせず、顔にすら出さなかった。

「タクミはまた痩せたな。

本当はすごく無理してるんじゃないかと思う。」

「そうかもね。」

「アイツも家族作れば良いのにな。

奥さんや子供がいたらちょっとは変わると思う。」

アタシの心の中は複雑だったけど…
レオの言う通りだと思った。

「そのうち、おじさんとおばさんをこっちに呼ぶって
言ってた。」

「そうか。それのがいい。

その方が心配ないし、気も休まるだろ？」

「うん。」

「なぁ、キョウ。

キョウは…どうなんだ？

タクミのこと…もういいのか？」

アタシはすごく驚いた。
でも誠実に答えるべきだと思った。

「もう終わったことだよ。

アタシにはレオしか居ないって思ってる。」

それに今のアタシはタクミの害にしかならない。

タクミの胸に飛び込んだところで略奪愛だの不倫だの
と叩かれるのは目に見えていた。

レオがアタシの手を握って抱きしめてくれた。

その夜は久しぶりにレオに抱かれた。

これでいいって思った。

アタシはこれで幸せだと思ってた。

だけどアタシたちの間の平穏は長くは続かなかった。