次期王の花嫁 ~真面目次期王は蒼眼王女に落とされたい?~(次期王の行方2)
開始の音が鳴り響くと二人は構えを取る。
クーデノムが賭けたのはマキセに、だ。
誰もが体格差から大男に賭けが集中して彼の勝利を予想したのだろうけど、マキセの強さを知っているクーデノムとしては、迷う必要はなかった。
当たらなければイミがないとばかりに振り上げた斧を避けると、マキセは相手の死角から素早く切りこむ。
傷つかないようあえて防具に当て、衝撃を与える。
よろけた所に剣の切っ先を首元に当てた。
歓声の中、試合はあっけなく終わりを告げた。
「終わりましたね。では5倍の2500をよろしくお願いしますね」
にこやかに言い放つクーデノムとは裏腹に、男は表情を無くして青い。
「倍率を提示したのはそちらですから」
「おーい、クーデノムどうした?」
闘技場の下から試合が終わったマキセが声をかけてくる。
「マキセのおかげで勝ちましたよ」
「そりゃ良かったなぁ」
男は隙をつくようにしてその場から走り出した。
「逃げたぞ?」
「不当な配当をふっかけてきたから、乗ってやったんだけどね」
そう言って笑うクーデノム。
もともと配当金を払ってもらう気などあまりない。
賭け金の分配など考えずに先に配当の倍率を表示している時点で、まともなヤツとは思っていない。
賭博の国であるクスイで育ったからには、その辺りは慣れている…というか、親譲りの血かも?
まあ、このくらいの失敗で詐欺師たちの横行が少なくなればいいかなという微かな希望。
そんなクーデノムの背後から男の子がひとり、観客席の階段を勢いよく降りてきた。
クーデノムが賭けたのはマキセに、だ。
誰もが体格差から大男に賭けが集中して彼の勝利を予想したのだろうけど、マキセの強さを知っているクーデノムとしては、迷う必要はなかった。
当たらなければイミがないとばかりに振り上げた斧を避けると、マキセは相手の死角から素早く切りこむ。
傷つかないようあえて防具に当て、衝撃を与える。
よろけた所に剣の切っ先を首元に当てた。
歓声の中、試合はあっけなく終わりを告げた。
「終わりましたね。では5倍の2500をよろしくお願いしますね」
にこやかに言い放つクーデノムとは裏腹に、男は表情を無くして青い。
「倍率を提示したのはそちらですから」
「おーい、クーデノムどうした?」
闘技場の下から試合が終わったマキセが声をかけてくる。
「マキセのおかげで勝ちましたよ」
「そりゃ良かったなぁ」
男は隙をつくようにしてその場から走り出した。
「逃げたぞ?」
「不当な配当をふっかけてきたから、乗ってやったんだけどね」
そう言って笑うクーデノム。
もともと配当金を払ってもらう気などあまりない。
賭け金の分配など考えずに先に配当の倍率を表示している時点で、まともなヤツとは思っていない。
賭博の国であるクスイで育ったからには、その辺りは慣れている…というか、親譲りの血かも?
まあ、このくらいの失敗で詐欺師たちの横行が少なくなればいいかなという微かな希望。
そんなクーデノムの背後から男の子がひとり、観客席の階段を勢いよく降りてきた。