あなたに飼われたい
「どうした、まだ起きてたのか」

その姿を見て、真夜は張り詰めていた気持ちが一気にゆるむのを感じた。

「一樹さん、私」

真夜は一樹に駆け寄った。

「変な夢を見てしまって……それで、色々思い出したかもしれないんです。でも、やっぱり考えてると頭が痛くなって……だから、助けてください。」

思わず一樹のシャツを握る。

「もう不安でたまらないんです。思い出すのを、手伝ってくれませんか」

「……ああ。わかった。大丈夫だから、まずは落ち着こう。何も心配することはない」

一樹はシャツを握る真夜の手をそっと包んで、座るように勧めた。

< 29 / 36 >

この作品をシェア

pagetop