あなたに飼われたい
起きたか、と訊かれたが、真夜は声を出せないでいる。
男は「ああそうか」とつぶやき、部屋に入ってきた。
真夜は身をすくめる。
「別に怖がる必要はない。道で倒れた君を俺が保護しただけだ。ここは俺の家みたいなとこだ」
男が真夜のベッドに近づいてくる。思わず掛け布団を手繰り寄せる。
と同時に、真夜のお腹の上の2匹が勢いよく床へ飛んだ。
男は手に持ったキャットフードを猫用の皿の上にパラパラと置いた。2匹が皿にがっつく。
「具合はどうだ」
男が訊いてきた。
「え? あ、ああ……すみません、ぼうっとして、ますけど……大丈夫です」
「君は昨日の夜道端で突然うずくまり、そのまま気を失った。何か持病は?」
「いえ、特に……。多分、貧血だと思います……あの、あなたが助けてくれたんですよね?ありがとうございます」
「ならいい。俺はもうここを出なきゃいけないが、君はまだここにいるんだ。ここは君が倒れた場所から徒歩5分くらいだ。千草丘ってわかるか? そこだ。冷蔵庫とそこの棚に食べ物がある。飲み物はあそこだ。夜になったらまた帰ってくる」
「え?いやちょっと、あの……!待ってください!」
男は「ああそうか」とつぶやき、部屋に入ってきた。
真夜は身をすくめる。
「別に怖がる必要はない。道で倒れた君を俺が保護しただけだ。ここは俺の家みたいなとこだ」
男が真夜のベッドに近づいてくる。思わず掛け布団を手繰り寄せる。
と同時に、真夜のお腹の上の2匹が勢いよく床へ飛んだ。
男は手に持ったキャットフードを猫用の皿の上にパラパラと置いた。2匹が皿にがっつく。
「具合はどうだ」
男が訊いてきた。
「え? あ、ああ……すみません、ぼうっとして、ますけど……大丈夫です」
「君は昨日の夜道端で突然うずくまり、そのまま気を失った。何か持病は?」
「いえ、特に……。多分、貧血だと思います……あの、あなたが助けてくれたんですよね?ありがとうございます」
「ならいい。俺はもうここを出なきゃいけないが、君はまだここにいるんだ。ここは君が倒れた場所から徒歩5分くらいだ。千草丘ってわかるか? そこだ。冷蔵庫とそこの棚に食べ物がある。飲み物はあそこだ。夜になったらまた帰ってくる」
「え?いやちょっと、あの……!待ってください!」