あなたに飼われたい
真夜は夢のあらすじを一通り話し、以前も同じような夢を見たことも伝えた。

「私の職業は、高校の国語科の教員だった。これは、あってますか?」

「ああ。それは本当だ。だからと言って俺は教員ではないが」

「ああ、じゃあこれで、自分が何をしていたのかは取り戻せた……! ありがとうございます」

これは真夜にとって大きな一歩だった。

これを足がかりに、自分を取り戻していくことができれば。にわかに希望が見えてきた。

しかし、夢の内容は、より暗い部分も含んでいた。
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