あなたに飼われたい
一樹の顔が近づいてくる。

「昼間のは……あれは、あのときすごく気持ちが落ち着いてて。部屋にいて、何かを思い出そうとしていると頭が痛くなってしまうのが続いてたから、つい、そんなことを口にしてしまってたんです…」

一樹は何も言わないまま、真夜を見つめていたが、やがてこんなことを言った。

「無理に思い出さなくていい」
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