あなたに飼われたい
ガチャっと音がして、玄関の扉が開く。

真夜の心臓が跳ねる。

一樹が帰ってきた___そのときのドキドキは日増しに大きくなっている。

「お帰りなさい。雨大丈夫だった?」

そう言いながら一樹の上着をとる。まふで夫婦のようだが、こうすることにはなぜか抵抗がない。

上着についた雫をはらい、上着をハンガーにかける。

「今日は鮭のムニエルよ」

一樹のために、最大限に気を配って作り盛り付けた料理。

「ありがとう。すごく美味しそう」

そう言ってもらえるだけで胸がいっぱいになる。

一樹と向かい合って座り、共に食事をとる。

もう一生、このままでいい。本当に。

___本当にそうだったら、よかったのに。
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