日野くんの心が知りたいです。
『まずは、七草さんが日野くんのことを避けるの』
『私が、ですか?』
あの日の放課後から練り続けた作戦。
なぜかはわからないけど、私が日野くんに冷たくすることで成功に近づくらしい。
「七草さん、読み終わ……」
「日野くん」
打ち合わせ通りだと、このタイミングであってる。
読み終わった本を返そうと、少し離れた席から私のもとへ向かってきた日野くん。
でも、いつもとは違う私の表情に気づいたのかな?
黙って私の言葉を待つ。