日野くんの心が知りたいです。
中学のときも俺は無口だった。
もちろん、そんな俺に話しかけてくれる人なんていなかった。
だから、七草さんには心の底から驚いた。
こんなに会話が成り立たない俺と話してて退屈じゃないのか?
何度もそんなことを思った。
当然、七草さんに特別な感情を抱くまでに時間はかからなかった。
◇◆◇
翌朝。
いつも通り8時12分に登校して、自分の席に着く。
教室には既に、七草さんがいた。
自分から挨拶をしようか迷った。でも、できなかった。
何よりまた拒絶されるのが怖くて、たまたまこっちを向いた七草さんから目を逸らしてしまった。