日野くんの心が知りたいです。


でも、違った。



俺だって気づいたら……七草さんのことが好きだった。



気づいたときにはもう手遅れで、諦めることなんてできなかった。





本に視線を戻すと、可愛らしい表紙が目に入る。



別に、なんでも良かったんだ。



ホラーでも、ミステリーでも、アニメでも。



七草さんの持ってる本を借りられるなら、なんでも良かった。




ただ会話のきっかけがほしかった。



それだけなんだから。

< 109 / 155 >

この作品をシェア

pagetop